認知症が心配なときの家族向けチェックシート

「最近、少し様子が違うかもしれない」と感じたときに、家族が落ち着いて確認するための資料です。 診断を決めるものではありません。気づいたことを整理し、受診や相談のときに役立てるために使ってください。

1. まず大切な考え方

大切なこと 理由
本人を責めない 不安や混乱が強くなり、受診や相談につながりにくくなります。
「年のせい」と決めつけない 認知症以外の病気、薬の影響、睡眠不足、うつ状態などが原因のこともあります。
早めに相談する 早期に対応すると、生活を整えやすくなり、家族の負担も減らしやすくなります。

2. 生活習慣で気を付けること

項目 気を付けるポイント 補足
生活リズム 起床・食事・就寝時間をなるべく一定にする 生活の乱れは混乱や不安を強めることがあります。
睡眠 昼夜逆転を防ぎ、夜に眠れる環境を作る 睡眠不足は物忘れや注意力低下につながります。
運動 散歩、座ってできる体操、軽いストレッチを無理なく行う 転倒に注意し、息を止めずにゆっくり行います。
食事・水分 低栄養と脱水を防ぐ 脱水で急にぼんやりすることがあります。
会話・交流 短くてもよいので、会話の機会を作る 会話は記憶・感情・判断の刺激になります。
安全対策 火、外出、金銭管理、薬の管理に注意する 事故やトラブルが出ている場合は早めに相談します。

3. 受診のために準備すること

準備項目 具体的に用意する内容 ポイント
症状メモ いつから、どんな変化があるか 例:同じ話が増えた、道に迷った、怒りっぽくなった
頻度 毎日か、時々か、急に悪化したか 進行の速さを見る材料になります。
生活の困りごと 家事、金銭、服薬、外出、身だしなみなど 「何に困っているか」を具体的に伝えます。
持病 高血圧、糖尿病、脳梗塞、うつ病など 認知機能に関係する病気もあります。
お薬手帳、市販薬、サプリメント 薬の影響でぼんやりすることもあります。
転倒・頭部打撲 最近転んだ、頭を打ったことがあるか 転倒後に症状が出る病気もあります。
気分・睡眠 落ち込み、不安、不眠、昼夜逆転、いびき うつ状態や睡眠の問題でも似た症状が出ます。

4. 家族用チェック欄

① もの忘れ・記憶について

□ 同じ話や質問を何度もする

□ 物を置いた場所を忘れることが増えた

□ 約束や予定を忘れることがある

□ 最近の出来事を思い出しにくい

□ 昔のことはよく覚えている

気づいた具体例:

② 時間・場所・判断について

□ 日付や曜日が分からなくなる

□ 慣れた道で迷うことがある

□ 時計やカレンダーを見ても混乱する

□ お金の計算や管理が難しくなった

□ 手順を考えるのが苦手になった

気づいた具体例:

③ 日常生活の変化

□ 料理や家事の段取りが難しくなった

□ 同じ服ばかり着る

□ 季節に合わない服装が増えた

□ 薬の飲み忘れ・飲み間違いがある

□ 掃除や片付けが極端にできなくなった

困っていること:

④ 気持ち・性格の変化

□ 怒りっぽくなった

□ 不安が強くなった

□ 意欲が低下し、外出を嫌がる

□ 疑い深くなった

□ 表情が乏しくなった

変化に気づいた時期:

⑤ 安全に関わる心配

□ 火の消し忘れがある

□ 外出して帰れなくなったことがある

□ お金のトラブルが起きている

□ 幻覚・妄想のような言動がある

これらがある場合は、早めに医療機関や地域包括支援センターへ相談してください。

詳細:

5. 受診時に持っていくもの

□ 健康保険証

□ お薬手帳

□ 服用中の薬・市販薬の情報

□ 健康診断の結果

□ このチェックシート

□ 家族のメモ

6. 本人への声かけ例

避けたい言い方 使いやすい言い方
「また忘れたの?」 「最近少し疲れているかもしれないね」
「認知症なんじゃない?」 「念のため、一緒に相談してみようか」
「ちゃんとして」 「一緒に確認しよう」

7. 相談先の目安

相談先 向いている場面
かかりつけ医 まず相談したいとき、持病や薬も含めて見てもらいたいとき
もの忘れ外来 認知症かどうか詳しく調べたいとき
神経内科・精神科 認知機能、気分、行動の変化を専門的に相談したいとき
地域包括支援センター 介護、生活支援、家族の困りごとを相談したいとき

この資料は、医師の診断に代わるものではありません。気になる変化が続く場合や、安全面の心配がある場合は、早めに専門機関へ相談してください。